書評|『GIVE & TAKE』で気づいた“与える力”と仏教の教え

こんにちは、しょうえいです。
今回は、アダム・グラント著『GIVE & TAKE』を通して、僕が感じた「与えることの意味」や「信頼される関係の築き方」についてまとめてみました。
仏教の「慈悲喜捨(じひきしゃ)」との共通点にも注目しています。
なぜこの本を手に取ったのか?
人に何かを与えるって、大切だとわかっていても、
「損してないかな?」「いい人止まりで終わってないかな?」と不安になる瞬間はありませんか?
僕もまさにそうで、特に発信活動を始めてから、「与える」ことの意味や距離感に悩んでいました。
そんな時に出会ったのが、この『GIVE & TAKE』という本でした。
どんな本なのか?
この本では、人間関係やビジネスの中で人を3つのタイプに分類しています:
- ギバー:まず人に与える人
- テイカー:まず自分が得ようとする人
- マッチャー:損得のバランスを重視する人
一見、テイカーやマッチャーの方が得をしそうに見えますが、著者は「最も成功するのはギバー」と言います。
ただし、成功するギバーと損するギバーには決定的な違いがある。
それは「ギブの質」や「与え方」にあるのだと、本書は教えてくれました。
読んでどうだったか?
この本を読んでから、僕の中で一番変わったのは、「与えることへの不安」が減ったことです。
ただの「いい人」で終わるギバーと、信頼されて成果を出すギバー。
その違いを私なりに整理すると、次のようになります:
- 自己犠牲ではなく、長期的な信頼を重視すること
- 何でも受け入れるのではなく、“境界線(ノー)”を持つこと
- ギブが“つながり”や“チャンス”を運んでくれると信じること
この考え方は、仏教の「慈悲喜捨(四無量心)」とも重なると感じました。
仏教の智慧|慈悲喜捨とは?
仏教には、人間関係を調和させるための4つの心「四無量心(しむりょうしん)」があります。
これらは「正しく与える」ための土台となる教えであり、バランスのとれた“やさしさ”を育てるヒントになります。
1. 慈(じ)|他者の幸福を願う心 =「与える」
「この人に幸せになってほしい」と願う気持ち。助ける、贈る、応援するなどの行動を促します。
- ✅メリット:他者とのつながりが深まる
- ⚠️注意:与えすぎると自己犠牲に陥りやすい
2. 悲(ひ)|他者の苦しみに寄り添う心 =「共感」
「この人の苦しみを軽くしてあげたい」と思う心。話を聴く、理解する、寄り添う行動につながります。
- ✅メリット:信頼関係が築かれる
- ⚠️注意:感情移入しすぎると自分まで疲弊する
3. 喜(き)|他者の喜びを共に喜ぶ心 =「祝福」
「うまくいって良かったね!」と心から喜ぶこと。
- ✅メリット:人間関係が軽やかになる
- ⚠️注意:嫉妬や比較心が強いと難しい
4. 捨(しゃ)|執着や偏見を手放す心 =「境界線」
「相手の反応や結果にとらわれず、フラットに受け止める」心。NOを言う/任せる/期待を手放すなど、自分を守るための大切な要素です。
- ✅メリット:冷静に人と向き合える。やさしさが持続する
- ⚠️注意:冷たさではなく、見守る姿勢がポイント
「捨」があるからこそ、自分を守りながら他者と関われるのです。
こんな人におすすめ
- 人に与えるのが好きだけど、「損してるかも」と感じる人
- 発信活動で“反応が薄い”と感じて落ち込みやすい人
- 「いい人」から「信頼される人」になりたい人
まとめ
この本を、これから発信を始める人や、人との関わりに悩んでいる人におすすめします。
もし気になった方は、ぜひ手に取ってください。
与えることに不安を感じていた過去の自分に、そっと手渡したい一冊です。
ぜひ一度、読んでみてください。