20代・30代の終活とは?今から始める3つのメリットと具体的な準備例

- 親の老いを感じて、なんとなく不安になった
- 結婚や出産をきっかけに、将来のことを考えるようになった

そんな小さな気づきが、20代・30代の終活の入口かもしれません。
若いからこそ、終活なんてまだ早いと感じる方も多いでしょう。
ですが実は、この時期は「死に備える終活」ではなく、「生き方を整える終活」ができる大切なステージです。
- 20〜30代が終活を始める意味
- この世代に合った無理のない準備の仕方
- 実際に始めやすい3つの行動例
終活は「今を丁寧に生きるための選択整理」です。
このタイミングで一度立ち止まり、「どんな人生を歩みたいのか?」を考えてみませんか?
あなたの価値観や大切にしたいことが、少しずつ見えてくるはずです。

20代・30代の終活は、これからの自分の人生を見つめるきっかけになります。
20代・30代の終活は、どう生きたいかを考える時間です。

若さゆえに、死は遠く感じるものです。
しかし、就職・結婚・出産などの節目を迎える中で、ふとした瞬間に「このままでいいのかな?」と迷いが生まれることがあります。
また、親の老いに触れる機会(帰省・入院など)も増えてくる時期です。
「自分も、家族も、これからどう生きていくのか」を考えるきっかけは、確実に近づいてきます。
終活という言葉にとらわれず、「今の価値観を知り、整えること」。
それが、20〜30代でできる等身大の終活です。

終活なんてまだ早い─そう思っていたけれど、今だからこそ考えられることもあります。
終活を始めるメリット【20代・30代編】
この年代で「自分なりの終活」に取り組むことで、次のようなメリットがあります。
「本当にやりたいこと」が明確になる
終活は、自分の人生を見つめ直す絶好のチャンスになります。
リンダ・グラットン著『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』では、人生100年時代において「変化に備え、自分の価値観を軸に生きる力」が重要だと説かれています。
アイデンティティ、選択、リスクは、長い人生の生き方を考えるうえで中核的な要素になるだろう。人生が長くなれば、経験する変化も多くなる。人生で経験するステージが多くなれば、選択の機会も増える。変化と選択の機会が増えるなら、人生の出発点はそれほど重要でなくなる。そのような時代に活きるあなたは、年長世代とは異なる視点で自分のアイデンティティについて考えなくてはならない。(中略)
⋯過去の世代には必要なかったことだが、私達は、自分がどのような人間か、自分の人生をどのように組み立てたいか、自分のアイデンティティと価値観を人生にどのように反映させるかを一人ひとり考えなくてはならない。
引用:リンダ・グラットン著『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』より
この考え方は、まさに終活を未来設計の一環とする発想と重なります。
漠然とした不安が、備えることで安心できる
- 「老後、ちゃんと暮らしていけるのか」
- 「親の介護は突然やってくるんじゃないか」
- 「もし自分が病気になったら…」
「なんとなく不安」──
それこそが、20〜30代に多い悩みの本質です。
こうした不安は、特定の原因があるわけではなく、じわじわと心に広がるモヤモヤとして現れます。
実際に、20〜30代の7割が「不安を感じている」という調査結果もあります。

そして、この不安は何もしていないときにこそ大きくなっていく傾向があります。
では、どうすればよいのでしょうか?
大切なのは、不安の正体に名前をつけていくことです。
そのためには、次のような小さな行動が有効です。
- 自分に必要なお金や制度について情報を集めてみる
- 保険の内容を見直す
- 万が一のときの希望を書き出してみる
こうしたアクションを通じて、自分はどんなことに備えればいいのか、どこまで準備できているのかが明確になり、不安が対処可能なものへと変わっていきます。
これは、すべてを完璧に備えるという意味ではありません。
ここまではやってあるという状態を作っておくだけで、心に余裕が生まれます。

不安を放置せず、正体を見つけて整えること。
それが、安心への第一歩です。
心が軽くなり、日々の選択にブレがなくなる
日々の生活の中で、私たちはたくさんの選択をしています。
- 仕事をどう続けるか
- 誰と時間を過ごすか
- 何にお金やエネルギーを使うか など
けれど、なんとなく流されるように選んでしまうことも多いのが現実ではないでしょうか。
そんな中で「人生の終わり」から自分の時間を逆算して考えてみると、驚くほど多くの迷いがスッと整理されていきます。
たとえば──
- この人との関係、本当に大切にしたい?
- 今の働き方は、未来の自分にとって納得できる?
- モノをたくさん持つより、心が豊かになる経験にお金を使いたいかも。
そうした気づきが、日々の行動や選択に芯を通し、「自分らしい生き方」を少しずつ形づくってくれます。

早すぎるなんてことはありません。
だからこそ、人生を丁寧に生きるヒントが見つかります。
終活の具体例【20代・30代編】
若いうちは、以下のような小さなアクションから終活を始められます。
今は使っていないモノやアカウントを整理してみる
使っていないSNSやアカウントは思い切って整理することで、自分にとって本当に大切なものが見えてきます。
20代・30代は流行に敏感で、新しいものに惹かれやすい時期です。その影響で、流行に乗って作ったSNSアカウントや登録したサービス、買った物などがどんどん増えていきがちです。
しかし、時が経つと使わなくなったものも多くなり、気づけば不要なもので溢れてしまうこともあります。
そんなときこそ「整理」、いわゆる断捨離が効果的です。
流行に乗って増やしたものを一度見直し、本当に必要なもの、今の自分に合っているものだけを残すことで、自分の価値観や優先したいことが自然と見えてきます。

ただ捨てるのではなく、「今の自分に必要か?」という視点で取捨選択していくことが大切です。
今後のライフプランを立ててみる
ライフプランを立てることで、自分の理想の人生と必要な経済的準備が明確になります。
将来のことを具体的に考える機会は意外と少ないものです。

一度ライフプランを立ててみると、
「自分はどんな人生を歩みたいのか」
「何を大切にして生きていきたいのか」
といった、自分自身の価値観に気づくことができます。
さらに、その理想を実現するためには、いつ・どんな出来事があって、どのくらいのお金が必要になるのかが見えてきます。
例えば、以下のような人生の節目に備えるための具体的な金額や時期が把握できるようになります。
- 結婚
- 出産
- 住まい
- 教育
- 老後
ライフプランを立てることは、ただの将来設計ではなく、「自分らしく生きるための土台をつくること」です。心の安心感にもつながり、日々の暮らしにも目的と方向性が生まれます。
エンディングノートを1ページだけ書いてみる
エンディングノートは、まず1ページだけ書いてみることで、自分を見つめ直すきっかけになります。
「終活」というと年配の人のものと思われがちです。
しかし、20代・30代の若い世代でも、エンディングノートは身近なテーマです。
とはいえ、いきなりすべてを埋める必要はありません。
まずは気軽に、1ページだけ書いてみることから始めてみましょう。
エンディングノートには、思い出のエピソードや大切な人の連絡先、自分の家系図など、若い世代でも無理なく書ける内容が含まれています。

これまでの人生を振り返ったり、自分のルーツをたどったりすることで、自分と周りとのつながりに気づくことができます。
また、財産や保険、デジタル資産の整理にもつながります。そのため、日々の家計管理や資産形成を見直す良いきっかけにもなります。
完璧を目指すのではなく、できるところから、少しだけ始める。その第一歩が、やがて大きな安心と気づきにつながっていきます。

「終活=重たい話」ではなく、今の自分を見つめ直すきっかけにしてみましょう。
20代・30代のあなたへ|自分の大切にしたいものを書き出してみましょう。
終活とは、亡くなるための準備ではなく、
これからの人生をどう生きるかを見つめ直す生き方の棚卸しです。
とはいえ、いきなり何かを手放したり、大きな決断をしたりする必要はありません。
まずは、小さな一歩から始めてみましょう。
自分の「大切にしたいもの」を3つ書き出してみましょう。
・人かもしれません。
・日々の時間かもしれません。
・大切な価値観や、夢だったことかもしれません。
書き出してみることで、
「自分がどんな人生を送りたいのか」が、少しずつかたちになっていきます。

終活は、今のあなたのための時間です。
一歩ずつ、自分らしい道を整えていきましょう。
まとめ|「いつか」ではなく「今」だからこそ、終活という選択を
今回は、20代・30代の方が終活を始める意味と、その具体的な一歩をご紹介しました。
主なメリットは、この3つです。
すぐに取り組める具体例も、こんな形から
若い世代、これからの人生を豊かに過ごすためにも今を見つめるタイミングです。
忙しい日々の中で、ほんの少し立ち止まって、未来にやさしい一歩を踏み出してみませんか?

この記事が、多くの方の参考になれば嬉しいです。