年齢別にできる終活｜今から始める3つのステージ
shoei
仏教と暮らしノート
【60代からの終活】何から始める？今できることと後悔しない備え方
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- 「終活って、そろそろ考えなきゃと思うけれど…何から始めればいいのかわからない」
- 「親のことは見送ったけど、自分のことになるとピンとこない」
- 「元気なうちに準備した方がいいとは聞くけど、実際はまだ早い気もする」
そんな風に感じている60代の方は、とても多いです。
けれど実は、今こそが終活を始めるのにちょうどよいタイミングとも言われています。
この記事では、60代以降の方に向けて、
- なぜこのタイミングが終活に適しているのか
- 始めることで得られる3つのメリット
- 今日からできる具体的な終活の準備例
をわかりやすくご紹介します。
60代からは定年や子育ての一区切りを迎える一方で、友人や親族の葬儀に参列することが増えてきます。
- 相続
- 介護
- お墓
このような話題が、自分ごととして迫ってくる年代です。
そして何より、「家族に迷惑をかけたくない」「自分の意思は自分で決めておきたい」という思いが自然と芽生える時期でもあります。
60代からの終活は、「老いへの備え」ではなく、「人生の仕上げ」を自分で整える優しい行動です。
想いを言葉にして伝えること。未来の安心を、今の自分から手渡すこと。
あなた自身のために、そして大切な人のために一歩ずつ、一緒に整えていきましょう。
このページを読み終える頃には、
「終活って、こんなにも前向きで、自分らしいものなんだ」
と思っていただけるはずです。
決して難しいことから始める必要はありません。
今からできる、大切な選択を考えてみませんか？
終活って、なんだか大げさに聞こえるかもしれません。
でも、実際に身近な人のことを考えたり、自分のこれからを見つめ直す中で、「今のうちに準備しておけたら安心かも」と思うこと、私自身にもあります。
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Contents
60代からは、「これからの生き方」と「後に残すもの」を意識し始める時期
60代という節目は、人生のひと区切りとも言えるタイミングです。
定年退職や子どもの独立、そして少しずつ感じる体力の変化──
これまで、家族のため、仕事のためと忙しく過ごしてきた日々から、自分自身の「これから」と向き合う時間が生まれてきます。
そして同時に、友人や親族の訃報に触れる機会が増えていく中で、
相続やお墓のこと、自分の葬儀や医療の希望といったことが、
もはや「遠い未来の話」ではなく、「自分ごと」として現実味を帯びてきます。
こうした状況の中で、心のどこかに「そろそろ自分のことも考えておいた方がいいかもしれない」という思いが芽生えてくるのは、ごく自然な流れです。
60代からの終活は、決して急な準備ではなく、これからの人生を穏やかに、そして自分らしく整えていくための穏やかな選択とも言えるのです。
【60代から】終活を始めるメリット3つ
この年代での終活は、準備のひとつひとつが、感謝や安心というかたちで周りの人に届いていきます。
60代以降から終活を始めるメリットはこちら
伝えられるうちに、伝えることで後悔が減る
「ありがとう」
「ごめんね」
「実はこんなふうに思ってるんだ」
──そうした想いは、言葉にしないと伝わりません。
けれど、「また今度でいいか」と思っているうちに、タイミングを逃してしまうことは多いものです。
終活とは、死を意識して備えるだけではなく、「生きている今のうちに、大切な人へ想いを伝える時間」でもあります。
たとえば、以下のような小さな行動でも、後々「話しておいてよかった」「気持ちを伝えられてよかった」と思える瞬間につながります。
- 元気なうちにエンディングノートに希望を書く
- 手紙を通して「伝えたい気持ち」を残す
- 一緒にいる時間の中で、何気ない会話から話し始める
後悔を減らす秘訣は、元気な今のうちに始めることです。
それは「自分のため」であり、同時に「相手のため」にもなります
残された家族の迷いや負担を軽くできる
- 葬儀やお墓のこと
- 延命治療や介護の方針
- 財産の分け方
これらは、残された家族にとって非常に大きな決断となります。
もし、何の準備も話し合いもないまま万が一が訪れたら？
- 兄弟で意見が分かれ、関係にヒビが入る
- 大切な手続きが滞り、心身ともに疲弊してしまう
- 何が正しいのか分からず、「自分が間違えたのでは」と悩み続ける
こうした事態は珍しくありません。
けれど、事前に本人の意思が書き残されていたり、家族で共有されていれば、「あとはそれに従って進めればいい」という安心感が生まれます。
終活は、残された人の判断の地図を作ること。
「ありがとう、助かったよ」と言ってもらえる最後のプレゼントになるかもしれません。
葬儀について考えるのは、タイミングが難しいものです。
でも、
「親が高齢になってきた」
「最近身近で葬儀の話を聞いた」
そんなきっかけがあるなら、今のうちに少しだけ知っておくというのも立派な準備です。
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だからこそ、気軽に試せる一歩です。
自分の人生を自分らしく締めくくる安心感が得られる
「どこで、どう過ごしたいか」
「どんなふうに送りたいか・送られたいか」
こうした人生の締めくくり方を自分の意志で整えていけることが、60代からの終活の大きな価値です。
- 介護が必要になったとき、どこでどう暮らしたいか
- 延命治療は望むのか望まないのか
- 最期の時間に、大切な人たちに何を残したいのか
人任せにするのではなく、「私はこう生きて、こう終わりたい」と描けることで、これからの日々にブレない安心が生まれてきます。
終活は、「死の準備」ではなく「生の再設計」です。
自分らしく生き抜くことを、誰かに託すのではなく、自分の手で整える行動になります。
終活の具体例【60代以降編】
60代以降の終活は、単なる手続きではなく、
人生の最終章を、自分の手で丁寧に整える時間でもあります。
たとえば、以下のような行動から始める方が増えています。
感謝の気持ちを手紙にする
感謝の気持ちを手紙にすることは、相手に思いが伝わるだけでなく、自分自身の心も穏やかになる大切な行いです。
特に60代以降は、仕事を退職したり生活環境が変わったりと、人との関わりが少しずつ減っていく傾向があります。
そんなときこそ、普段お世話になっている人や、ふと思い出した懐かしい人に手紙を送ることが、心のつながりを実感できる時間につながります。
感謝や思い出を言葉にする行為には、特別な準備や理由はいりません。手紙は、気持ちをそっと届ける小さな贈り物のようなものです。
書く人にも、受け取る人にも、静かであたたかな優しさをもたらしてくれる存在です。
看取りや延命治療の希望を書き出す
看取りや延命治療の希望をあらかじめ書き出しておくことは、家族への何よりの思いやりになります。
もしものとき、自分の意思がはっきりしていれば、家族は迷うことなく判断できます。特に延命治療や看取りについては、答えの出しにくい場面だからこそ、事前に希望を伝えておくことが大切です。
すべてを細かく決める必要はありません。たとえば「してほしいこと」「してほしくないこと」を一つずつ書くだけでも、十分に道しるべになります。
また、葬儀やお墓の希望、臓器提供や介護のあり方など、自分の想いを文字にして残すことは、遺される人たちにとって大きな安心になります。
公正証書遺言を準備する
公正証書遺言を準備することで、相続のトラブルを防ぎ、大切な想いを家族にしっかりと伝えることができます。
誰に何を、どのくらい託すのか。これをはっきりさせておくことは、家族間の誤解やトラブルを未然に防ぐためにとても重要です。
公正証書遺言であれば、法的な効力があり、遺された人たちが迷わずに対応できます。
加えて、法的な内容に加えて、不言事項として家族へのメッセージや遺産分割の理由などを添えることもできます。
何をどう託すのかだけでなく、「なぜそうしたのか」という想いが伝えることが重要です。
しっかりと準備しておくことで、安心を未来に手渡すことができるのです。
60代以降のあなたへ｜アルバムを開いて、思い出話を語ってみましょう。
いま始める終活は、あなたらしさを残す最後のプレゼントです。
今からできるワンアクション
アルバムを一冊開いて、思い出話を誰かに語ってみましょう。
それは、過去を整理するだけでなく、あなたの人生を誰かと共有する、かけがえのない時間になります。
写真に映るその一枚一枚に、
「あのとき何を感じていたか」「誰と過ごしていたか」
それを語ることもまた、心を整える終活の一歩です。
あなたの物語を、あなたの声で伝えること。
それが、家族にとってあたたかな贈り物になります。
まとめ
今回は、60代以降の方が終活を始める意味と、その具体的な一歩についてご紹介しました。
主なメリットは、この3つです。
- 伝えられるうちに、伝えることで後悔が減る
→ 気持ちや想いは、元気な今だからこそ、自然に届けることができます。 - 残された家族の負担を軽減できる
→ 判断の道しるべがあるだけで、家族の迷いや葛藤はぐっと減ります。 - 自分の人生を「自分で締めくくる」安心感が得られる
→ 最期まで自分らしくありたいという思いが、行動を通じてかたちになります。
すぐに取り組める具体例も、こんな形から
- 感謝の気持ちを手紙にする
→ 照れくさくて言えなかった想いも、文字なら素直に伝えられます。 - 看取りや延命治療の希望を書き出す
→ 家族が迷ったとき、あなたの言葉が安心のよりどころになります。 - 公正証書遺言を準備する
→ 専門家に確認してもらえるので、確実に意思を残せる安心感があります。
60代以降という人生の成熟期は、「親を見送った経験」や「子どもたちの自立」が重なる年代でもあります。そのなかで、自分のことも含めて、次の世代へ何をどう遺したいかを見つめることができる貴重なタイミングです。
忙しい日々の中で、ほんの少し立ち止まって、未来にやさしい一歩を踏み出してみませんか？
この記事が、多くの方の参考になれば嬉しいです。
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お寺の住職として、仏教の学びや日々の気づきを、暮らしに活かせる形で発信しています。
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