終活とは?何から始めればいいかをわかりやすく解説|仏教的視点で“整える”人生の準備

- 「終活ってよく聞くけど、何から始めればいいのかわからない」
- 「まだ早いかな…でも、何も準備していないのも不安」
- 「お金のこと、お墓のこと、家族に迷惑をかけたくないけど…」
そんなふうに感じている方も多いのではないでしょうか。
終活とは、決して“死”に備えるだけのものではありません。
むしろ、「これからの人生を安心して、自分らしく生きるために、心と暮らしを整える準備」です。
この記事では、現役の僧侶である私が、終活の意味と、無理なくできる始め方をお伝えします。仏教的なまなざしを交えながら、「人生を整える」という視点で、一緒に考えていけたら嬉しいです。
- 終活ってどんなことをするの?
- 何歳から始める?
- まずは何から始めればいい?
難しく考える必要はありません。
今のあなたが感じている「なんとなくの不安」を、ひとつずつ「整えていく」時間になりますように。
終活とは?|“死の準備”ではなく、“生き方を整える”こと
終活(しゅうかつ)という言葉には、「人生の終わりに向けた活動」という意味があります。
でも、それは単なる死後の準備ではありません。むしろ、これからの人生をよりよく生きるために、“今”を整えていく行動だと私は考えています。
仏教では「死を見つめることは、今を丁寧に生きること」と説かれます。
終活は、「今ここ」の自分を見つめ直し、気持ちを整えるきっかけになります。

そんな“今を生きるための終活”を、少しずつ始めてみましょう。
終活とは「死を意識すること」でありながら、「どう生きるか」を深く問い直す時間でもあります。
そんな終活の本質を、ユーモラスでやさしく語りかけてくれるのが、ひすいこたろうさんの著書『明日死ぬかもよ?』です。
気負わず読めて、それでいて心の奥に深く残る内容なので、「何か始めたいけど迷っている」という方にもぜひ手に取っていただきたい一冊です。
終活の主な目的とメリット

終活をする主な目的とメリットをご紹介します。
これまでの人生を振り返り、気持ちを整理する時間が持てる
終活は、単に死の準備をするだけでなく、人生の棚卸しをする貴重な機会となります。自分の半生を振り返り、今を見つめ、これからの人生をどのように生きるかを見つめ直すことができるでしょう。
過去の経験や思い出を整理することで、自分が本当に大切にしたいものが何かを再確認したり、やり残したことに気づいて新たな目標を見つけたりするきっかけにもなります。
例えば、過去の写真を見返したり、家族への想いをエンディングノートなどに綴ったりするだけでも、自然と「自分らしい人生とは何か」に思いを巡らす時間になります。
このように、自分と向き合い気持ちを整理することによって、腰を据えてこれからの生き方を考えることができます。終活を通じて、
- 行ってみたかった場所に行く
- 会いたかった人に会いに行く
- 昔の思い出の地をめぐる
といった活動を楽しむことができ、より豊かに生きるきっかけになります。
終活は「終わりの準備」ではなく、「これからの時間を大切に生きる準備」であると言えます。 仏教には「自灯明(じとうみょう)」という言葉がありますが、自分の内面を見つめ直すことは、人生を主体的に生きることにもつながります。
死への漠然とした不安が和らぎ、日常が穏やかになる
「もしものとき、どうなるんだろう」という死に対する漠然とした不安は、多くの人が心のどこかで感じているものです。終活は、このような未来への不安を和らげ、今を充実させるための大切な準備となります。
葬儀や相続、医療に関する準備を進め、エンディングノートに自身の希望を書き記しておくことで、「自分の意思が反映される」「家族が困らずに済む」という安心感が生まれ、より穏やかな気持ちで過ごせるようになります。
実際に、終活を始めた方からは、「子どもたちに迷惑をかけたくないからこそ、準備しておきたいと思った」という声が聞かれ、頭の中が整理されることでスッキリしたという効果も報告されています。
終活を通じて、終末期医療や判断能力を喪失した場合の対応など、具体的な計画を立てることで、死に対する恐怖が薄まり、老後の不安を解消することにつながるとされています。
家族間のトラブルを未然に防ぐ手立てになる
家族間のトラブルは、相続をめぐって起きることが非常に多いとされています。遺産が少ない家庭でもトラブルが発生する可能性は十分にあり、「なぜあの人が多くもらったの?」「親の介護をしてきたのは私なのに」といった感情が絡むことで、家族の絆が壊れてしまう例も少なくありません。

終活を通して、遺言書やエンディングノートに財産分与や相続方法などを明確に書き残しておくことで、無用な争いを避け、円滑な相続を実現できるでしょう。特に不動産など、物理的に分割が難しい遺産はトラブルが生じやすい傾向があります。
終活では、財産を「どう分けるか」以上に、「なぜそのようにしたのか」という想いを伝えることが大切です。口に出して話しにくい場合は、エンディングノートや遺言書に、自分の言葉で一言添えるだけでも大きな違いがあります。
遺された家族の負担を軽くする優しさにつながる
本人が亡くなった後、遺された家族は知人への連絡、葬儀やお墓の手配、遺品整理、相続に関する手続きなど、多岐にわたる作業と精神的負担に追われることになります。実際に「何から手をつければいいか分からなかった」という声も多く聞かれます。
さらに、介護や医療の方針、例えば延命治療の希望などが事前に決まっていないと、家族は苦しい決断を迫られる場面も出てきます。終活を通じてエンディングノートやメモに自身の希望や意思をはっきりと書き残しておくことで、家族の決断の負担を格段に減らすことができます。
これは、愛する人々への最後の思いやりとなり、家族は「これでよかったんだ」と安心して故人の意思を尊重した対応ができるようにでしょう。
自身の人生を自らで計画し、その幕引きをどう終えたいかを明確にすることは、残された家族への優しさであり、自身の人生を自分で生ききるという点でも非常に大切です。
終活で準備できること(全体像)

終活とは、「人生の終わりを考えること」ではなく、「これからの時間をよりよく生きるための準備」です。
ここでは、終活で準備できる代表的な内容を紹介します。
どれも一度にやる必要はありません。
「今の自分にとって必要かも」と感じたことから、無理のないペースで取り組んでいきましょう。
- エンディングノートを作成する
- 家族へのメッセージや、医療・介護の希望などを書き留めておくノートです。
- 法的効力はありませんが、あなたの“想い”を伝える大切な手段になります。
- 資産の整理
- 銀行口座、不動産、保険、ローンなどを棚卸しすること。
- デジタル資産(ポイントやサブスク、アカウント情報など)も忘れずに整理しておきましょう。
- 遺言書を作成する
- 相続に関する希望を、きちんと法的に残しておくことができます。
- お世話になった方や団体へ、感謝の気持ちを届ける「遺贈寄付」も選択肢のひとつです。
- 葬儀やお墓の準備
- 自分らしいかたちでの弔いを考えること。
- 生前墓や永代供養など、選べる選択肢は意外と多いです。
- 断捨離やデジタル終活
- 物やデジタルデータ(各サイトのアカウントやパスワード)を整理することで、気持ちもすっきりします。
- 生前の希望を記す
- 延命治療、介護、臓器提供など…判断が必要になる前に、あなたの意志を残しておくことは、家族の助けにもなります。
- 制度の活用(任意後見・家族信託など)
- 判断力が低下したときに備え、あらかじめ信頼できる人に財産の管理を託す仕組みです。
エンディングノートを作成する
エンディングノートは、あなたの「想い」を残すノートです。
具体的には以下のようなことを書き留めておけます。
- 医療・介護についての希望(延命治療は望むか/施設か自宅か など)
- 葬儀やお墓の希望(形式や宗派、呼んでほしい人など)
- 大切な人へのメッセージ
- ペットの世話や家の後片付けについてのこと
法的な効力はありませんが、「もしものとき、家族が迷わないように」準備しておくことで、残された方々の負担が軽くなります。
資産の整理(見える化)
終活では、自分の持ち物を一度棚卸しすることが大切です。
- 銀行口座、証券口座、保険の内容
- 不動産の名義や管理状態
- 借入金やローンの有無
- 年金・退職金などの情報
また、見落とされがちなのが「デジタル資産」です。
たとえば、以下のようなものも含まれます。
- SNSやメールのアカウント情報
- サブスクリプション契約(音楽・動画・有料サービス)
- 電子マネーやポイントの残高
これらを家族が知らないまま残すと、管理・解約に苦労することもあります。
一覧にまとめておくだけでも安心です。
遺言書を作成する
法的に効力を持つ遺言書を作成しておくことで、財産分与の希望をきちんと伝えることができます。
特に以下のようなケースでは、遺言書の有無でトラブルを未然に防げます。
- 子どもがいない/再婚している
- 法定相続人以外に財産を渡したい
- 特定の人に感謝を伝える「遺贈寄付」をしたい
自筆で書く「自筆証書遺言」や、公証役場で作成する「公正証書遺言」など形式がいくつかあります。
弁護士や司法書士など、専門家に相談するのも安心な方法です。
葬儀やお墓の準備
「どんな形で見送られたいか?」は、自分で選べる時代になりました。
たとえば…
- 家族葬、直葬、音楽葬など形式の違い
- 永代供養墓、樹木葬、生前墓などの選択肢
- 葬儀社の事前相談や、葬儀費用の積立
事前に考えておくことで、家族が慌てずに済むだけでなく、「自分らしい最後のかたち」を選ぶことができます。
断捨離やデジタル終活
「身の回りの物を減らすこと=生き方を見つめ直すこと」です。
- 思い出の品を整理して、必要なものだけにする
- もう使わないものを譲ったり、寄付したりする
- スマホやパソコンの中身(写真、連絡先、メモなど)も定期的に見直す
やり始めると意外と楽しく、「すっきりした気持ち」で日々を過ごせるようになります。
生前の希望を記しておく(事前指示)
将来、自分で判断することが難しくなったときのために、「どんな医療を受けたいか」「介護はどうしたいか」を記しておくと安心です。
- 延命治療の希望(人工呼吸器、心肺蘇生など)
- 認知症になったときの介護の方針
- 臓器提供や献体の希望
- 尊厳死や自然死に関する考え
このような「事前指示書」や「リビングウィル」は、家族が迷わず選択する助けになります。
制度の活用(任意後見・家族信託など)
万が一、認知症や病気などで判断力が低下した場合に備え、あらかじめ信頼できる人に財産の管理を任せておく制度があります。
任意後見制度
まだ元気なうちに「後見人」を指名しておく制度です。
将来、判断力が低下したときに後見人が財産や生活の管理を行ってくれます。
家族信託
財産を信頼する家族に託し、管理や処分をしてもらう仕組み。
特に「不動産をスムーズに受け継がせたい」「親の財産を子が管理したい」という場合に有効です。
これらは専門的な仕組みですが、老後資産のトラブルを避けるうえで心強い選択肢です。
【実践編】終活はここから始めればOK!5つのステップ

私がおすすめする、無理なく始められる5つのステップをご紹介します。
STEP 1:まずはノートを1冊用意(エンディングノート)
思エンディングノートは、ご自身の考えや希望を整理し、家族に伝える大切なツールです。準備方法には、次の3つがあります。
① 無料ダウンロードを利用する
- 配布元:地方自治体、法務局、司法書士会などの公的機関
- 特徴:必要な情報が整理されており、印刷してすぐ使える。費用がかからず、気軽に始められる。
- おすすめの方:まず試しにやってみたい、費用をかけずに始めたい方に最適です。
🔗 例:法務省のエンディングノート
https://www.moj.go.jp/content/001395858.pdf
② ご自身でまとめる(手作りノート)
- 準備物:無地や罫線付きのノート1冊
- 特徴:書式の決まりがないため、自由にレイアウトできる。思い出や手紙、写真なども一緒に残しやすい。
- おすすめの方:「自分らしくまとめたい」「文章を書くのが好き」という方におすすめです。
📌 手帳感覚で進められるため、日常に馴染みやすい方法でもあります。
③ 市販のエンディングノートを購入する
- 価格帯:およそ1,000円~2,000円程度
- 特徴:あらかじめ記入項目が整理されており、「何を書けばいいの?」という悩みが少ないのがメリット。
- おすすめの方:形式に沿って、手軽に始めたい方に向いています。
📌 書店・文具店・ネットショップなどで入手可能です。
🌱始めやすい方法から、気軽に一歩を
まずは無料のものから試し、後で市販のノートやオリジナルノートに移行するという流れもおすすめです。
価値観や状況は時間とともに変わるもの。見直しや書き直しがしやすい形を選ぶことが大切です。
STEP 2:家族と1回話してみる
初めての会話は、重いテーマでなくて大丈夫です。
たとえばこんな問いかけから始めてみてください。
- 「最近、〇〇さん(芸能人など)が亡くなったってニュースでやってたね。お葬式とかどうしたんだろうね」
- 「自分の親が元気なうちに、どんなお墓がいいか聞いておいたほうがいいのかなと思って」
もし反応がなかったとしても、「話してくれた」という事実が後々ふと思い出されるきっかけになります。
また、家族の価値観を知る機会にもなるのがこのステップの良さです。
自分が何を望むかも大切ですが、「家族がどうしたいか」を聞くことで、より穏やかな意思共有が生まれます。
STEP 3:お金の見直し・共有
まずは、以下のような情報をノートや家族に伝える形で整理することをおすすめします。
- 銀行口座(どこにどれだけあるか)
- 保険(種類、加入先、証券の保管場所)
- 年金情報(年金手帳の場所、加入状況)
- 借金やローン(住宅・自動車・カードなど)
- 解約しておくべき契約(携帯・サブスク等)
資産を「見える化」することで、残された家族の不安が激減します。
また、「親が何も言わずに亡くなってしまい、どこに何があるか分からず困った」という声も多く聞かれます。
整理した情報は、定期的に見直すのが理想ですが、まずは1回だけでもまとめておくことが大切です。
STEP 4:お墓や供養について考えてみる
葬儀のカタチやお墓(納骨堂・永代供養)など、今は選択肢が豊富です。
しかしながら、住職の立場から後継者がいる場合の墓じまいはあまりオススメしません。
理由としては、以下の4つが挙げられます。
供養の「場」があることは心の支えになるから
後継者がいる家庭では、お墓という“具体的な祈りの場”が残っていることで、家族の中に「つながりの実感」や「心の支え」が育まれます。特に、子や孫世代にとっては、「家の歴史」「ご先祖の存在」を知る機会となり、命のつながりを学ぶ教育的役割も果たします。
「自分の代で終わらせる」判断が、次世代の思いを奪ってしまう可能性があるから
「自分の代で墓じまいしておこう」という意向は、よくある親心のひとつです。しかし、将来、子どもたちが供養を望んだときに、「あのとき残しておいてくれたら…」と後悔させてしまう可能性もあります。
特に、まだ若い後継者がいる場合は、人生の中で思いや価値観が変化することが多いため、親世代が早まって決断してしまうのは慎重になる必要があります。
寺との縁や地域コミュニティとのつながりを保つ意義
お墓があることで、年に一度のお参りや法事を通して寺や地域とのご縁が継続します。墓じまいによりその接点が失われると、心の拠り所をなくしてしまう家族もいらっしゃいます。
特に、都市部に出た子世代にとっては貴重なふるさととの接点です。
仏教的にも「残す」ことは大切な布施の一形
墓を受け継ぐという行為そのものが、「供養」という行為だけでなく、先祖からの恩に報いる“行”としての意味を持ちます。形式にとらわれすぎる必要はないが、“祈る心”と“つながる場所”を残すことも、立派な供養であると捉えられています。
仏教的には「形あるものは必ず変化する(無常)」という教えのもと、お墓という“形”に固執しすぎないことも一つの智慧です。一方で、「先祖への感謝の念」「祈りの場を大切にする心」も仏教の根本であり、形は変われど、心は絶やさないという考えが基底にあります。
墓じまいを単なる「撤去」にするのではなく、家族の歴史や供養の形をどう次世代に引き継ぐかという話し合いにしていただければと思います。
STEP 5:不安があれば、誰かに相談する
終活は、一人で全部やろうとしないで大丈夫です。
迷ったときに相談できる相手は、以下のように多岐にわたります。
相談内容 | 相談先 |
---|---|
法的な手続き・遺言書の作成 | 行政書士・司法書士 |
相続・税金に関する不安 | 税理士・FP(ファイナンシャルプランナー) |
お墓や供養のこと | 菩提寺の住職や石材店 |
家族間の意思共有 | 地域包括支援センターやケアマネジャー |
迷いがあるなら、声に出すことが大切です。
誰かに話すことで、自分の考えが整理されたり、思いが伝わるきっかけになることが多くあります。
終活についてのよくある誤解
- 終活は亡くなるの準備でしょ?
-
終活は「残された家族に迷惑をかけないため」という目的だけでなく、残りの人生を充実させ、自分らしく生きるための前向きな活動でもあります。
人生の棚卸しとしてこれまでの人生を振り返り、これからの生き方を見つめ直すきっかけにもなります。これにより、漠然とした老後の不安や死への恐怖が解消され、より豊かな気持ちで老後を送れるようになるというメリットがあります。
- エンディングノートに法的拘束力がある?
-
遺言書とは異なり、エンディングノートには法的な拘束力がありません。
エンディングノートは、ご自身が亡くなった後に家族に伝えたいことや情報をまとめたノートであり、生い立ち、資産の詳細、希望する葬儀形式、連絡すべき人物、介護が必要になった場合の希望、遺産配分の方法などを自由に記載できます。もし法的な効力を持つ文書を作成したい場合は、遺言書の作成が推奨されています。
- 終活は高齢者だけが行うもの?
-
終活を始める時期に特定の決まりはありません。
一般的には退職して時間にゆとりができる60代から始める人が多いですが、20代や30代といった比較的若い時期から始めることも可能です。自身の健康状態に不安を感じたり、ライフステージの変化があったりした際には、年齢に関わらず早めに着手することが推奨されます。
- 終活のすべてを一度に完了させる必要がある?
-
自分のペースで進めることが大切。但し、タイミングに注意しましょう。
終活には多くの項目があり、すべてを一気にこなそうとすると負担が大きくなる可能性があります。各専門家も、終活は焦らず、完璧を求めすぎず、自分のペースで進めることが大切だと述べています。
まずは断捨離やエンディングノートの作成など、比較的取り組みやすい項目から始めるのがおすすめです。また、任意後見や家族信託など、判断能力の低下に備えるものは、認知症が進行すると利用できなくなるため、タイミングに注意が必要です。
- 終活はお金がないとできない?
-
ノートと想いがあれば、今すぐにでも始められます。
エンディングノートの書き方は決まりがありません。無地のノート一冊から始めることができます。また、地方自治体や法務局、司法書士会のウェブサイトから、エンディングノートを無料でダウンロードできる場合があります。
法務省のエンディングノートはこちら
まとめ|終活は“いのちを丁寧に見つめる時間”

終活と聞くと、「やることがたくさんあって大変そう」と感じる方も多いかもしれません。
でも大丈夫です。まずは小さな一歩からで構いません。
振り返ってみると、終活とは決して「死の準備」だけではありません。
むしろそれは、今をより良く生きるための整理でもあります。
自分のこれまでの人生を振り返り、これからの時間をどう過ごしたいかを考える——
終活とは、そんなふうに自分の人生を自分でデザインしていくプロセスです。
そしてそれは同時に、家族や大切な人たちへの思いやりをカタチにする行動でもあります。
“死後のこと”だけではなく、「今」や「これから」を見つめ直す機会になることも多いのです。
現実的な準備を整えながら、自分の価値観や希望を見つめ直すこと。
それは、本人だけでなく、家族にとっても安心と心の支えとなる、大切な営みです。
終活は、あなた自身の「ありがとう」や「大切な想い」を伝える準備でもあります。
こうして自分の最期を見据えて準備をすることが、あなたの今の生き方や日々の優先順位にどんな影響を与えるでしょうか。
終わりを意識するからこそ、今という時間の尊さに気づけるのではないでしょうか。
終活とは「死を意識すること」でありながら、実は「どう生きるか」を深く問い直す時間でもあります。
そんな終活の本質を、ユーモラスでやさしく語りかけてくれるのが、ひすいこたろうさんの著書『明日死ぬかもよ?』です。
気負わず読めて、それでいて心の奥に深く残る内容なので、「何か始めたいけど迷っている」という方にもぜひ手に取っていただきたい一冊です。